おんな城主直虎第24回「さよならだけが人生か?」感想
泣いて笑って第24回感想。
■今日の殿と家老
冒頭、城主と家老の立場で話をする時も幼馴染要素が出たのが嬉しい。
「やはりここか」
「分かったようなことを言うな」
とかね。
「分かったような」じゃなくて、
「分かってる」んですよ、殿!!
と画面の外からツッコミを入れるのも忘れない。
■今日の井伊家
ほのぼのパート(*´ω`*)
方久がぐーるぐーるしている塩の壺に手を出して指をしたたかに挟まれる直之w
直虎から探りを入れられ目がザバザバに泳ぐ方久、からの
直之「え?」
六左「やっておりますな(小声)」
の流れの完璧なこと。
もっと家臣団の評定シーンを見たい。
「十二人の怒れる男」パロディみたいな感じで、ずーっとベラベラ喋っててほしい!
■第六天魔王の降臨と豆狸と奥方と
王道を行く信長でしたね。
目力が、目力がすごい。
縮み上がった豆狸こと家康が瀬名と語らうシーンのしっとり感、良かったですねえ。
しかしここで仲良くすればするほどちらつく史実の二文字。
ここからどう展開する、というか落としていくんだろうか……。
■統べる者へ
第12回、跨がって第13回で「井伊直虎」が誕生してから描かれてきた、彼女が統治者として奮闘し成長していく、という一連の流れは、第24回で一旦決着したのではないでしょうか。
すでにたくさんの方が述べられていますが、この帰結には南渓和尚の発言と、たけさんの退場が大きく関わっていると思います。
領主としての見地から地に足のついた策を提示し、物事を述べる直虎に、おとわの影を見出だせないと漏らす南渓和尚。
最後まで姫扱いを崩さなかったたけから発された、「井伊の殿として」という言葉。
「おとわはもうおらぬ」
という南渓和尚の言葉は、ある意味第24回のサブタイトルのようにも聞こえます。
そして忘れてはならない、小野但馬守政次。
秘かに共闘体制を取った直虎と政次ですが、政次が直虎の甘さを叱咤するシーン(第19回)があったように、当初は政治的手腕の力関係でいえば、政次のほうが上でした。
それが今回、政次から
「なかなかよろしきお考えかと」
という賛同の発言が聞かれたわけです。
直虎が政次と同じ方向、目線の高さで物を考えるまでに至ったと取ってよいのではないかと。
その時の政次の嬉しそうな顔ったらないですよ。
公式HPの、
「政敵が最良の伴侶に」
という一文がまざまざと思い起こされるシーンでした。
ここまでつらつら書き綴って思ったのは、タイトルの「さよならだけが人生か?」。
奉公話を蹴った龍雲丸とその一派、輿入れした桜、里に下がったたけ。
様々な人達との「さよなら」があったわけですが、そこにはおとわも含まれているのでしょうね。
そしてこれを以て、いよいよ直虎の統治者としての物語が、本格的に始まるような気がします。
何しろ次回は第25回。
物語の折り返し地点ですものね。
以下、与太話。
●24回のテーマソングとして、♪BUMP OF CHICKEN「ロストマン」を推したい。
一見政次の歌のように聞こえて、その実直虎の歌に聞こえてくる不思議。
●ノベライズ読んでから本虎を見たのですが、桔梗の嫁ぎ先の算段をつけながら碁を打つシーン、ノベライズだと、
政次が嫌みを言いつつ直虎の黒石を取る
↓
口も碁も嫌みなとむっとする
↓
からの桔梗の嫁ぎ先として北条を提案、今度は政次の見逃していたアタリに黒石を打って白石を取る
↓
「なかなかよろしきお考えかと」
の発言に負け惜しみかと声を立てて笑う
って流れになっていて、幾分か幼馴染としての要素強めなんですね。
この辺り、やっぱり演出の方や俳優さんが検討しあって方向性を変えたんだろうか。
それにしても、解釈次第で色々な画を見せられる脚本なんだなあとしみじみ思った。