(内容は)とはずがたり

語りたいことを語りたいだけ。

おんな城主直虎第22回「虎と龍」

まさかまさかの連続。

龍雲丸のバックハグに気を取られていたら、意外なところから真打ちが登場するし。

見せ場少なめかと思われた政次には、とんでもないワンシーンで度肝と生気を抜かれたし。

嬉しくも切なくも、誤算がいっぱいな「おんな城主直虎」第22回感想。


■政次「奥山殿、そなたもか<●><●>」


今を去ること一週間前。
第21回、次回予告の最後の最後で、政虎沼の水面を大いに波立たせた、龍雲丸バックハグ。

よもやあれ以上の注目シーンはあるまいと思っていましたが、んなこたあなかった。
そんなに大きく話題にはならないかもしれないが、政次に肩入れする身としてはほっとけない人物が、意外なところから現れた。


R O K U Z A E M O N ―― …!


勿論、色恋の情から来る抱きつきでないことは百も承知なのだけれど、問題は六左衛門というより直虎で、だってあなた、


六左の頭なでなでしてるやんけーーー!


せいぜいにゃんけい和尚ぐらいしか成し遂げていないであろう、殿のなでなでを賜るという偉業。

それを、第22回における色恋要素担当と目されていた龍雲丸でもなく、忠犬之の字でもなく、まさか、まさか六左衛門が勝ち取るとは!

まずは、
六左! 良かったね六左!
役得だね六左! と嬉しくなりました(*´ω`*)

そのあと、
ライバルに先越されてばかりで大変すなあ、ご家老……マジ不憫守……。
と切なくなりました(´・ω・`)

好きな登場人物がたくさんいるとね、心が目まぐるしく動くんだよ。

■不憫。


さてその小野但馬守政次ですが、のっけからもうしばらく見られないだろうと思っていた蔑む(ような)目付きを見られて、テンション上がる上がる。

直虎と政次が睨み合うシーン、好きです。

直虎お披露目の折、見下ろす直虎、見上げる政次、互いに静かに相手を睨めつけていたのも好きだし、種子島鋳造がばれたときの睨み合いも好きです。

しかし井戸端対峙(第18回)があった今では、火花散らし合うことも少なくなるし、そうそう見られなくなるかーと思っていたのですが、おっひょい!

その後の、首を巡らしてからの特大の「はぁ~」、龍雲丸に対して威嚇全開、不良ばりの足癖の悪さと続く続く。

すっかりテンション上がった私は、
(政次ってはっきりした柄物着るのね、ちょっと意外)
(何だか私が持ってるリラコと柄が似通ってる気がする)
とクローゼット漁ってみたりして、いやあ今日の但馬守はキレッキレですね、前回露出抑えめだった分も満足よーと思っていたら!


何ですかあれ。

何ですかあの独白……。


一気にぐっと来ました。

普段「不憫」「マジ不憫」と代名詞の如く言っていますけど、ああ本当にこの人を形容するのにぴったりとはまった言葉なのかもなあと思いました。

何が悲しいって、直虎に対して腹を割ってしまったが故に、本音が徐々に表層に出てきてしまって、その事に苦しんでいるように見えるのですよ。

彼にとっては、いつだって“直虎が笑っていること”が最高なんです。
大河ドラマ・ストーリー後編 高橋一生インタビューより)


を踏まえて言うならば、龍雲丸が井伊に留まると分かった直虎がにこにこしているのは最高とも言えるはずなのに、政次は人知れずその場を立ち去る。
見たくもないというように。

そして、「くだらんぞ、但馬」。

これまでは上手いこと押し殺せてきたあれやこれやが、なまじい直虎と精神的な距離を少し詰めてしまった分、隠せなくなってきたのかなあと思ってしまう。

嫉妬とか、いわゆる人としてどす黒い部分というか。

高橋一生さんが様々なインタビューで「政次をよしよししてあげたい」と仰っていましたが、こういう心持ちのことかしらとちょっぴり分かったような気がします。

そういった意味でも、やはり神回でした。
いや毎回神回だと思うよ!


ちなみに、本虎視聴後は政次独白にどっぷり感情移入しすぎて湿っぽくなっていたけど、一晩寝てすっきりしたら、政次が
「くだらんぞ、但馬」
と呟いた直後に障子パーン!開け放って、大音声で
「何がくだらないんだ!」
と呼ばわってやりたいという心境に変わっていました。

我ながら移り身の早い。
今日も元気だ妄想が楽しい。